カテゴリー:オフィス
場所:札幌市中央区
竣工:2024年 10月
IT系企業のオフィス移転計画です。
市内各地に散らばった拠点を集約するためのオフィス移転に伴い、ABW(Activity Based Working)という新たな働き方のきっかけとなる場を作りたいとの要望から始まりました。
新築の事務所ビル3フロア分の改装依頼をいただき、それぞれ異なるコンセプトで快適なオフィス空間を目指しました。
7階
北海道らしさ、木・鉄・石・緑を中心とした空間にしたいとの要望を受け、自然素材をふんだんに採用した空間に仕上げました。
中央のカラマツ材をつなぎ合わせた巨大なカウンターをメインとして、札幌軟石貼りのカウンターやプランターと一体化したナラ材を使用したソファなどの造作什器を各所に設置し、働く人のための居心地の良い場所を散りばめました。
また、私たちが普段取り扱っている住宅向けの家具をオフィスへ置き替えることで、オフィス特有の重い張りつめた空気を崩し肩肘張らない落ち着いた空間となりました。
8階
コーヒーを飲んで一息つく、他愛もない会話を楽しむ、そういった場面から生まれるアイデアの方が魅力的な場合は多くあります。オフィスという働く場所に限らずそういったアイデアが自然と降りてくるような場を作ることはできないかと考え”公園のような場所”を目指した空間をご提案しました。
通常ベンチには背もたれがありどちら側から座るか、その場所に配置された時点で使われ方が限定されるため、それらを取り除き、150角のカラマツ集成材のみで全体を構成しました。さらに、座面の高さに変化を与えることでベンチとしてもカウンターとしても使えるようにしました。そうしてできた什器はまるで遊具のような、そこにいる人々の様々な活動が絡みつく新たな居場所が生まれました。
また、同フロアの受付には待合のためのソファを設置した。シンボルツリーを中心にその周りに座ることで、慣れない場所を訪れた来客者であっても一息ついて仕事に取り掛かることができるようなスペースを目指しました。
5階
入口正面の限られたスペースに外勤者のための作業スペースを作りたいとの要望をいただき、造作家具によるワークスペースをご提案しました。
デスクの脚となっている角パイプでつくられた立方体のフレームには傘や上着を掛けることもできる仕様に。シナ材でつくられた正円のデスク天板を分割するパーテーションは作業用の電源を引き込む壁として立ち上がり、同じくシナ材でつくられた扇状のソファは外勤者を温かく迎え、空間を彩る植物用のプランターにもなっています。
円弧と直線、面と線、シンプルな形状によって全体を構成しながらそれらをずらすことで、働く人の活動が関わる余白を生み出しました。
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